物理光学的回折理論(PTD)を採用
車、船舶、人等のRCSシミュレーションには、精度が高く、しかも計算時間の速いPTD方式が最適です。
電磁波の散乱は直接目にすることが不可能であり、従来よりシミュレーション技術が盛んな領域となっています。
電磁波の散乱評価には、モーメント法などの数値解法、物理光学近似法(PO)および上記両者を複合したハイブリッド法等、さまざまな手法が存在します。中でもPTDを採用している本ソフトウェアはPOを改良し精度が高く、計算時間も短く、大きなモデルに適しています。
数学的シミュレーションの一般的精度と計算時間
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RCS精度(A) |
所要計算時間(T) |
備考 |
実機の測定 |
A |
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計測環境によるが、最も正確 |
数値解法 |
0.9A |
T |
精度は高いが計算量が膨大 |
ハイブリッド法 |
0.5-0.8A |
0.1T-0.3T |
最も実用的であるが、異なる方式の境界部分の計算が難しく誤差が出やすい。従って、部分モデルを実測し、その結果に合致するソフトを選ぶことが必要。 |
物理光学近似法(PO) |
0.3A-0.5A |
0.03T |
簡便で計算時間も短く、大きな試料に適している。 |
物理光学的回折法(PTD) |
0.5A-0.7A |
0.05T-0.2T |
精度が高く、計算時間も短く、大きな試料に適している。 |
特長
- 充実したGUIの提供
- 全てMATLAB言語によるソフトウェア
- モノスタティック・バイスタティックモードの提供
- 正偏波/交差偏波(クロス偏波)処理の提供
- 地形および海面等の広範な領域に対する近似評価の提供
- 陰影処理と多重の入射、反射、回折処理の提供
- 物体を構成する材料のデータベース化(パレットカラー)
- N層の任意定数をもつ材料に対応
- エッジ部に生じる高次の回折電磁流の考慮(PTD)
- 目標物体の最適セグメント処理
- 基本形状のRCS計算ライブラリ
- 基本形状の組合せによるRCS計算処理
- 様々な目標物のデータ種別に対するインターフェースの提供
- 空洞部散乱、多重の透過波に対する拡張が可能
- 逆合成開口(SAR/ISAR)処理への拡張が可能
- ユーザーの要求によるカスタマイズが可能
例)自動車・トラック・人のRCS(全周、24GHz/76.5GHz)
対象モデルと計算パラメタ
対象モデル:自動車
計算モード:モノスタティックRCS
角度:0~360°(270°が正面)
モデル大きさ:全長×全幅×全高
= 約4.7×1.9×1.5(m)
計算周波数:24GHzと76.5GHz